IRONMAN70.3 JAPAN
IRONMAN70.3JAPAN
雨の中のレース。
自分にとって雨のレースはとても相性が良い。
JTUの規定によりプロを含めた総合8位以内かつトップから5%以内のタイムでのフィニッシュでロング強化指定および70.3のプロカテゴリーエントリーが可能になる。ただしこれだけではIRONMANフルディスタンスへのエントリーは出来ない。
国内で行われる注目度の高いロングレースといえば
五島長崎国際トライアスロン
皆生トライアスロン
あたりだろうか。
ミドルディスタンスというと注目度は少し落ちるように感じる。しかしIRONMAN JAPANが無くなった今、IRONMAN70.3JAPANこそが国内で唯一海外のIRONMANプロ選手が参加するレースとなっており国内でプロカテゴリーを取得できる可能性のある唯一のレースでもある。ミドルディスタンスの国内レースの中では一番ハイレベルなレースが行われる。
(70.3とは70.3キロメートルではなく日本では馴染みのない70.3マイルというIRONMANのちょうど半分の距離で行われるレースでハーフアイアンマンなどと呼ばれる事もある。ハーフといえどキロメートルではトータル112kmという距離で行われる。)
今回大会2週間前までなかなかカラダの調子が上がってこずに強度の上げられない日々が続いた。常に疲労感が次の日に持ち越され、スピードのあるトレーニング、高負荷のトレーニングをこなす事が困難な状況となっていた。
急遽の休息日を彦井コーチと相談しながら入れていき、最終週に向けてようやく回復力の回復も高まり、最後の追い込みでようやく自信を持ってスタート出来る状態にもってこれた。
宮古島に向けての追い込みに比べ期間も短く、実際タイムとしてもパワー計測の結果も良くはない。しかしマイナスになっているとも思えなかったので、、、実際やってみないとわからない。
今回レースの日の朝食をショッツのみにしてみた。実際4つ飲んだ時点で固形も少し欲しくなりコンビニの塩にぎりをひとつ、そしてスタート1時間前にショッツをもう2つ。
目的としては胃腸に負担をかけずにしっかり血糖値を上げてレーススタートをする事、そして世界どこに行っても朝食に迷わずに済むという事、レース前の迷いは少しでも少ない方がいいし、やる事を減らしたい。
今回この選択が大正解となった。
スイムはプロスタートから30分後のスタート。
スタートは認定記録会で400mを自分より10秒近く速く泳ぐ杉山選手の横でスタート、付いていけば良いかなと。スタート直後予定通り付いていくも途中で横に離れていってしまったので一人で淡々と泳ぐ、周りは見えていたし位置としては杉山選手より前だったので不安もない、500mくらいで杉山選手に追いつかれてからは後ろについて泳ぐ事にした。非常に落ち着いて泳ぐ事が出来た。スイムのフォームの改良からタイムも向上し、レースでもフォームを崩さない事を常に頭に入れて泳いだ。
後半少しペースが上がってスイムアップとてもペース配分が上手いなぁと思いながら付かせてもらっていた。泳ぎながら足先ちょんちょん触ってしまっていたので浜でちょっと謝った。
T1
宮古島ではこのタイミングのどこかで脚を痛めた、スイムでだったのかもしれないしわからない、今回も突如脚が痛みだすのではないかと不安を感じながらもキックをタイミングのみで打つようにした事でT1では脚も軽く走る事ができた。豪雨の中カッパを着たボランティアの人達の応援に応えながらバイクへ、トランジッションはかなり長め。
今回は一日中雨予報だったのでPOCのヘルメットのシールドは外して裸眼で走る事にした。もともと目は良くないし暗くて曇ってと悪条件になるのなら裸眼の方が安全、雨で目が乾く事はない。
バイクは前半4周回の平坦コースで65km、後半は街中のアップダウンコースで25km。全体的にテクニカル、そして雨でスリッピーなコース。
雨に合わせて前輪は8気圧、後輪は9気圧にした。
周回コースは周を重ねる毎に人が増えていき、落車のリスクも高まり、減速しなくてはならないポイントも増える。人が増えてくる前に周回コースを終える30分前にスタートしたプロカテゴリーが羨ましい。
走り出しから脚の痛みもなくまずは一安心、1周目はコーナーを把握していない事もありあまりスピードが出せなかった。
バイクは乗り方次第で重たいギヤを楽に踏む事が出来る。普段指導する側で何回も何回も言っている事をレース中は自分に言い聞かせながらペダリングしていく。我ながら上手く乗る事が出来、余裕を持ったまま周回を重ねていく。
後半の街中アップダウンも一定ペースを維持して冷静に走る事が出来た。
今回の補給はボトルに6本入れたショッツのみだったが20km毎に1本から1.5本分くらいを飲み、予定通り80km地点で全て飲み終えた。
普段のトレーニングでも強度を上げる時はトレーニング30分前にジェルの飲み血糖値を高めた状態で行うようにしている。自分にとっては補給食を取る練習というよりは高強度の練習をやり遂げる為に出来る限り血糖値を高める必要がある為にそのようにしている。
T2に入っても脚の固まりもなく、上手くバイクパートを走り切れた事がわかった。
眠さ、だるさ、脱力感の様な低血糖の症状もなく走り出す。
周りにはスイム15分前にスタートした35歳未満の選手と29分前にスタートした女子プロ選手が数名いたのでランスタートから少しずつ前に上がっていく感覚で走る事が出来た。
ランコースは前半13kmは斜度のあるアップダウンが続くタフなコース、後半は8km海岸線のフラット。
まずは13kmを集中して走る。登りのペースは落ちるが体が沈み込む事の無いように接地位置、骨盤から背骨の角度の調整とフォームを常に意識して走った。普段海岸線で一人で走っている事がしっかりレース中に再現する事が出来た。これは何よりバイクのペース配分が上手くいった事が大きい。彦井コーチ様々だったがちゃんと実行した自分も偉い。
特に辛すぎるという状況はランの前半には無かったがそれも後半8kmのペースダウンを避ける為。カフェイン入りのショッツを8kmあたりで取ってエネルギーも後半に向けて備える。
10km地点あたりでモンスターのシャカシャカを着たでっかい人が傘を持ってピョンピョン跳ねている!!阿部さんだ。雨の中会場からもかなり離れたランの上り坂、どの選手も辛いであろうところで応援をしにやって来てくれた。かなりパワーをもらってハイタッチして後半へ。
山を下り切り、歩道橋を渡るとあとはずっと海岸線、堤防の上を走るので所々階段があったり細くなったりと変化はあるものの基本フラット。走り方が崩れる事は無かったが徐々にお尻、ハムストの筋肉が固まってきた。攣るというよりは可動域が狭まる、キック力が落ちるという感じだった。腕振りを出来る限りコンパクトにしてピッチが落ちない様に心掛けた。
先にスタートした選手を一人ずつ抜かしていく、ランで人をパスするレースはなかなか無いのでかなり走れていると錯覚しながら走る事が出来た。
ラスト2km最後までエネルギーは残したまま走れている、脚はかなり限界、痛いけどあと2kmだけ頑張る。ラスト1km最後のフィニッシュに向けてラストスパートまで出来てしまった。
フィニッシュ。
結果
総合11位
日本人1位
エイジ総合1位
目標まで5分
到達はしなかった。
しかしレースのペース配分としては今までやってきた18年間の中でトップ3に入るくらい良いペース配分だった。要は各種目の能力が足りていないのだが。
バイクタイムはトップ10の集団で乗れていたプロカテゴリーの選手の平均ぐらいのタイムは出せていた、後ろで孤軍奮闘した割には良かったと思う。
宮古島のレースの後もそうだったが、現在絶賛成長中を自分自身実感出来ているという事がかなり原動力になっている。
次の徳之島トライアスロンはトレーニングプラン上あまり調整せずに参加する予定ではあるが、今までのコース自己ベストを更新出来る気がしている。楽しみだ。
今回も選手篠崎友を応援をしてくださった皆様、ありがとうございました。
これからも良い成績と共に気合いの入る報告が出来るよう頑張り続けます。
応援よろしくお願いします。
また今回雨の中レースに出場された選手の皆様お疲れ様でした。
そしてボランティアの方々は寒い中一日中選手の応援、サポートとありがとうございました。
そして現地で一日中動き回って応援してくれた亜希子に本当に感謝です。
IRONMAN70.3JAPAN久々に出たレースでしたが、また出たいと強く思える素晴らしいレースでした。ありがとうございました。